千里山西3 三本松の開発工事トラブル

吹田市千里山西3・山頂付近の(株)ライブエステート社による14区画(Live-Garden千里山西)造成開発工事

(五里山 旗振り通信 相場山 垂水西原古墳 たぬき山)

▲はじめに

千里山の山頂「三本松」は千里山西3丁目にあり、古墳時代は大型の前方後円墳「垂水西原古墳」、戦国時代は「のろし台」として、江戸時代から大正初期は、大阪 堂島の米相場を「旗振り通信」(手旗信号)で知らせる第一相場山・第一旗振り山として知られています。現在は私有地にて立入禁止となっています。

2018年4月12日、この千里山山頂付近の「解体工事協力のお願い」が、(株)ライブエステートより一部の近隣宅に配布され、近隣住民が造成開発工事について初めて知る事となりました。解体工事は5月中旬開始と記載されています。

2018年2月14日に吹田市開発審査室に開発許可申請がなされ、現在「開発許可の申請中」、近々に開発許可の可否が判断される模様です。既に「解体工事申請」は許可済(地域環境課)です。近隣住民や自治会には4月12日まで事前の連絡、調整がありませんでした。


実質の大規模開発かつ、4m未満の狭小道路に数年間トラック数千台規模(しかも通学路)に、地元・学校への事前調整が一切なく、モラル欠如の一方的な直前の工事着工通知に困惑しています。


また、本件の開発業者ライブエステートは、地元でも過去に複数のトラブルが報告されている会社である事、今回も最低限の約束すら守られず問題を放置して強硬に工事している事より、ライブエステート社(下請け仲介不動産販売各社含む)と造成区画 ライブガーデン千里山西の販売先(土地の新買主)との新たなトラブル等も憂慮・懸念されています。


実際に工事が進むにつれ、強引かつ無謀な計画、ずさんな工事による地盤崩れの発生(未解決)、民事介入団体の出現、業者の恫喝による110番通報など相次ぐトラブルの造成工事に近隣住民達は怒っています。


このページでは千里山三本松の開発工事について、今後の記録の為、順次掲載していきます。

 

千里山 三本松とは(第一相場山・垂水西原古墳)

かつては標高83.05mでしたが、その最高所は削られてしまい、現在約79.4mとされています。このあたりは砂質のため水田が作れず、江戸末期より桃など果樹栽培が行われ、明治期は、桃畑・桃山の評判の地として観光客・花見客で賑わり茶店が出る観光地でした。

北大阪急行線「緑地公園」駅から徒歩6~9分、阪急千里線「千里山」駅から徒歩10~13分に位置し、現在は、私有地(柿山)にて、立入禁止となっています。

吹田市の「歴史の景観7か所」の一つとして「五里山と呼ばれる千三小北側の小高い山はかつて電話などのない時代に米相場の情報を旗を振って伝えた場所」と紹介されています。五里山の呼称は1970年頃までは地元で通用していました。

江戸中期から大正初めまで、大坂 堂島の米相場「旗振り信号」京都ルートとして、「堂島・吹田千里山・茨木阿武山・柳谷西山・京都」と中継され、東は江戸、西は久留米・博多まで米相場を伝えていました。

電信出現以前は、のろしと旗とによるリレー通報で、堂島の米相場や油、株式相場、金銀相場を、遠く離れた山の上から遠眼鏡で見て、それを次へ流す、旗による順次リレー式で伝える第一相場山(第一旗振り山)が千里山の山頂でした。飛脚より通信速度が速く、有効な通信手段で、さらに盗み見防止の為の暗号化通信など最先端通信技術でしたが、明治末、電話による通信が始まり、旗振り通信は役割を終えました。


また、三本松よりやや南西に下がった尾根上に大量の古墳石室と思われる出土品が発見され、大型の前方後円墳「垂水西原古墳」(古墳時代前期)と命名されました。

この古墳は、四世紀の大型の前方後円墳とされますが、発見以前の造成工事により墳丘がほぼ消滅しており詳細は分かっていません。

この三本松・垂水西原古墳一帯は、古墳時代に垂水に住んでいた氏族の祭祀の地とされ、垂水公阿利真公の墳墓と推定しています。しかし、この三本松の古墳は、1974年2月の造成工事によって破壊されました。

三井住友ラスト不動産このまちアーカイブより千里山三本松

今回の開発現場では、うぐいす、ふくろう、キツツキ、タヌキなどが目撃され、 野生動物たちの楽園となっています。

2017年夏には6匹の家族タヌキ(子狸4匹)が生息し、毎年夏頃、4~6匹の家族たぬきが目撃されます。以下の写真は、2018年5月28日、まさに今回の開発現場に現れたタヌキのカップルです。スタジオ ジブリの映画「平成狸合戦ぽんぽこ(※1)」を連想してしまいます。

2018年4月23日撮影 たぬき01

(※1)  平成狸合戦ぽんぽこ(映画):多摩ニュータウンの宅地造成開発に、たぬきが化けて人間(開発業者)に抵抗を試みる作品。スタジオジブリのテーマ「自然(破壊)と人間」が評判に。1994年。



▲千里山西 三本松の造成宅地開発とは

2018年4月12日~13日、隣接住民への事前説明なく、「解体工事ご協力のお願い」と「開発概要(土地利用計画図)」が、株式会社ライブエステート社(宅地造成計画 T.C.プランニング)より近隣宅に配布され、住民が初めて知る事となりました。

所在地は千里山西三丁目19番付近、全14区画 宅地分譲地(建築条件なし、更地)、開発面積は 2,791.39㎡ (※2)、解体工事は5月中旬開始と記載されています。

現在「開発許可の申請中」(2/14申請 吹田市開発審査室)にて、近々に開発許可の可否が判断される模様です。既に「解体工事申請」は許可済(地域環境課)です。


実質の大規模開発かつ、4m未満の狭小道路に数年間トラック数千台規模(しかも通学路)に、隣接住民・自治会・学校などに事前連絡・調整一切なく、(株)ライブエステートより一方的に開発申請され、住民不在で既成事実化している現状に、近隣住民は困惑と不安を覚えています。


また本件以外にも、ライブエステートによる地元での「複数の工事トラブル」があり、今回の開発工事についても近隣住民・自治会が憂慮を深める要因となっています。




(※2)  実質の大規模開発行為: 本来、南側の土地も含めて3,000㎡以上で開発許可の申請をすべきですが、一部を除外して3,000㎡以下で分割して申請する事により、大規模開発(3,000㎡以上)の規制を回避しての申請となっています。

同一敷地で、購入者も、購入日も、共同担保さえも一緒であり、本来なら一つの事業計画として申請・許可すべきと考えますが、それを分けて申請するのは、大規模開発の規制をすり抜ける明らかな「規制逃れ」です。

また、道路幅も4m未満(有効幅3.32m)であり、本来なら建築基準法上、そのまま再建築(もちろん開発行為も)できない筈ですが、「位置指定道路」申請を認定されれば「4m以上あると解釈し、建替えや新築でなく、いきなり開発行為(戸建て分譲販売)すらも可能になる」と言った極端な解釈にも疑問です。

これが個人の一般住宅の建て替えや新築なら、こう言った柔軟さも必要ですが、「実質の大規模開発行為で道路幅4m未満」に、この自由な解釈で、一気に箍(たが)が外れるのであれば、何の為の法律・条例か考えざるを得ません。



▲千里山西 三本松の造成宅地開発の経緯

2017年11月30日 (仮称)千里山西三丁目宅地造成計画 位置図作成(T.C.プランニング)

2018年2月14日 吹田市役所 開発審査室に「開発許可」の申請(ライブエステート)

2018年4月12~13日 少数の近隣宅に「解体工事ご協力お願い、開発概要」配布。
         5月中旬工事開始予定と記載。住民・自治会が初めて知る

2018年4月19日 吹田市長に『要望書(近隣説明会開催、慎重な開発許可の判断)』提出

2018年4月23日 第一回署名開始

2018年4月27日 吹田市長に 1,087名の署名と合わせ『要望書』提出

2018年5月12日 「第一回解体工事説明会」を千里山会館にて開催
         建物解体だけでトラック700台(のべ1400台)通ります 
         アスベストもあります
         事業主:(株)ライブエステート、設計:T.C.プランニング一級建築士
         施工:枡川光輝(株)、解体:(有)関西クリーン、下請解体:(有)明翔産業

2018年6月12日 予告連絡なく近隣対策業者「ヘイセイエステート大阪本社」が突然介入
        近隣交渉の委任を受けた事業主の交渉代理人と一方的に名乗る。
        7/3ライブエステートに代理人を交渉先として認めない旨の書面送付。









▲出典・引用

<出典:柴田昭彦氏著 旗振り山 ナカニシヤ出版>
<出典:柴田昭彦氏著 新ハイキング 別冊 関西の山>
<出典:柴田昭彦氏著 歴史と神戸>
<出典:吹田市立博物館 歴史散歩 垂水地区> 
<出典:千里山ホームページ 三本松/五里山/垂水西原古墳>
<出典:千里山史探検隊 吹田市史第七巻 佐井寺村村史>
<出典:吹田市教育委員会 埋蔵文化財緊急発掘調査概報 垂水西原古墳 >

旗振り通信については、徹底した調査と口コミ考証に基づいた『柴田昭彦氏著 旗振り山 ナカニシヤ出版』に、とても素晴らしいロマンが掲載されています。






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